史料(しりょう)
過去の歴史を理解し,再構成するためのあらゆる情報。文書,書物,伝承などの文字情報,遺跡・遺物,さらには口頭伝承などが含まれる。17世紀以降のヨーロッパでは,史料の性格やその真偽を検討する文献学が発達し,それをもとに厳格な史料批判の方法が確立した。しかし近代の歴史学は史料批判に耐えうる確かな事実だけを重視したために,研究の対象を狭く限定する結果をもたらした。これに対し,20世紀半ば以降に盛んとなった社会史研究では,対象の範囲を多様な社会現象や心性にまで広げる試みがなされている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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