シリア

地中海東岸地域。第一次世界大戦期までレバノン,パレスチナ,ヨルダンも含む地域を意味した。古来セム系の人々が住み,東方と地中海,ヨーロッパとの通商路にあたり,周辺諸勢力の支配が繰り返された。アレクサンドロス大王の遠征(前333年)に続き,紀元64年からローマの支配下で商業とキリスト教文化が栄えた。7世紀にアラブが侵入,イスラーム化が進み,同世紀後半から約1世紀ダマスクスはイスラーム帝国の宗教,文化の中心となった。11世紀にセルジューク朝が侵入し,16世紀初めオスマン帝国に征服された。トルコの支配は第一次世界大戦まで続き,アラブの民族意識は高まったが,戦後英仏によるシリア分割によりフランスの委任統治下に置かれた。第二次世界大戦後独立。1958年エジプトとともにアラブ連合共和国を形成するが,のちに分かれて現在のシリア・アラブ共和国となった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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