植民地(しょくみんち)
colony 英語の「コロニー」はラテン語の「コロニア」に由来し,元来は国外に集団移住して定住した土地をさす。古代ギリシアやローマではこの意味で用いられたが,それが新しい意味を獲得したのは,15世紀以降のヨーロッパの世界的な規模での拡大による。最初はスペイン,ポルトガル,16世紀末以降にはイギリス,フランス,オランダが登場して,貿易の独占をめざして地球的規模の戦争を繰り広げ,そこで本国の政治的支配下に置かれた土地をさして,植民地という呼称が生まれた。19世紀にはアメリカ大陸の植民地の多くは独立したが,同世紀の末にはアジア,アフリカを含めて列強の帝国主義的侵略が進み,植民地分割は終了した。20世紀の2度の世界大戦中に植民地における解放運動が盛り上がり,第二次世界大戦後,アジア,中近東,アフリカの植民地は次々に独立を達成した。独立した旧植民地は,アメリカをはじめとする先進諸国の経済・軍事政策によって,新たな形での従属を強いられている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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