常備軍(じょうびぐん)
standing army 平時においても恒常的に維持されている軍隊。百年戦争時にフランスのシャルル7世が創設した軍隊が近代常備軍の起源とされる。火器の普及や戦術の変化などにより,従来の封建制による騎士の軍隊に代わって,より多くの兵士で構成される専門部隊が必要となった。近世の絶対主義の時代になると,軍事費をまかなうための財政が整備され,国王の直接支配のもとに強大な常備軍の創設が可能となった。また,こうした軍人を育成するための士官学校も充実した。常備軍は当初,徴募された民兵と職業軍人である傭兵とで構成されたが,国民国家の発展とともに,自国民からなる軍隊が望ましいとされるようになった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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