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浄土教(じょうどきょう)

阿弥陀仏(あみだぶつ)にすがって,その仏国土である極楽浄土に往生(おうじょう)して,そこで悟って安楽を得る道を説く大乗仏教の教え。根本経典は『無量寿(むりょうじゅ)経』『阿弥陀経』『観無量寿経』の浄土三部経。この教えの原型は紀元前後のインドで成立したが,「南無阿弥陀仏」という六字の名号(みょうごう)を称えて浄土往生できるという信仰が流布したのは中国の善導(ぜんどう)(613~681)の影響が大きい。浄土信仰は7世紀には日本に伝わっているが,中国五台山に学んだ円仁(えんにん)によって比叡山で「山の念仏」の淵源が本格的に確立された。その流れから法然(ほうねん)が浄土宗を,親鸞(しんらん)が浄土真宗を興し,多くの日本人の心のよりどころとして現在に至っている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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