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蒸気船(じょうきせん)

蒸気船は1780年代から西ヨーロッパやアメリカで製作されていたが,1807年フルトンはハドソン川の河川交通用に,20馬力の蒸気船を製作し,150マイル(約240km)を時速4ノットで遡航して,初めて商業的実用化に成功,アメリカにおける「川蒸気時代」の端を開いた。蒸気船はヨーロッパでも内陸や沿岸航路に急速に普及したが,汽帆船ではない純粋の蒸気船が大西洋航路に登場したのは1838年である。ただしアメリカでは40年代から50年代にかけて外洋用に高速大型帆船「クリッパー船」を開発し,当時蒸気船はその速度をしのぐことはできなかった。アメリカではクリッパー船が成功したことと,南北戦争中海運業が打撃を受け戦後造船に多くを投資しなかったことのため,その後は長く造船と海運では,外洋蒸気船の性能改善に努めたイギリスの後塵を拝することになった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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