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ジャイナ教(ジャイナきょう)

Jaina[サンスクリット],Jainism[英] インドの宗教。開祖はマハーヴィーラ。ヴェーダの権威を否定。あらゆる事物に関する一方的判断を否定する真理相対主義に立ち,インド思想史上特異な位置を占める。すべての存在は霊魂と非霊魂に二分される。動物,人間のほか,地,水,火,大気,植物も霊魂に属する。非霊魂に属する物質は知覚されない原子を最小単位とする原子論を主張。霊魂は善悪の行為の結果,輪廻(りんね)につながれている。解脱(げだつ)を得るため正しい信仰,正しい知識にもとづき正しい行いをすべしと教える。正しい行いのなかで最も重要な不殺生(アヒンサー)は独自の霊魂観に由来する。不殺生の最終的実践として断食(だんじき)による死が重要視される。無所有の実践としての裸行の遵守をめぐり,厳格な空衣(くうい)派と寛容な白衣(はくい)派に1世紀頃分裂した。聖典などはプラークリットで書かれていたが,6世紀頃からサンスクリットも使われた。不殺生の強調により在家信者のほとんどは商業に携わり,現在も300万人以上の信者が西インドを中心に存在する。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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