1. 用語
  2. 世界史 -し-
  3. 市民革命(しみんかくめい)

市民革命(しみんかくめい)

bourgeois revolution フランス革命をモデルとするマルクス主義の概念では,封建社会から資本主義社会への移行期に,封建制を打破して資本主義を確立することを目的として,新興のブルジョワジーが主体となって遂行する政治変革をさし,ふつうは「ブルジョワ革命」という。イギリス革命,アメリカ独立革命もそれに相当するとされる。第二次世界大戦後,この古典的規定に対して修正主義が登場し,革命の主体は必ずしもブルジョワだけでなくリベラル貴族もいること,したがって経済関係をめぐる階級対立が主要な内容ではなく,政治構造の変革が革命の目的であることなどが主張された。日本では,大戦中に「ブルジョワ」の語が「市民」に置き換えられたため,「市民革命」の用語が生まれた。「ブルジョワ革命」とまったく同じ意味で使われることもあるが,「市民社会」の誕生を目的とする政治変革へと,意味が横滑りする場合もある。この場合の「市民社会」は,自由な個人が自由に取り結ぶ平等な関係という社会学的概念であり,革命の内容が異なる。日本の戦後歴史学は,この異なる「市民革命」概念を混同ないし折衷した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう