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シク教(シクきょう)

Sikh[パンジャーブ],Sikhism[英] ナーナクを開祖とするインドの宗教。シク教の呼称は,信徒がナーナクをはじめとするグル(師,教主)の忠実なシク(弟子)たらんとしたことに由来する。歴史上のグルは10代で途絶え,その後は聖典『グラント・サーヒブ』(「聖典」の意)がグルとされる。シク教は,ヒンドゥー教のバクティ信仰とイスラームを批判的に融合した宗教で,唯一の神への献身を説き,偶像崇拝とカースト差別を批判した。第5代グル・アルジュン(在位1581~1606)は,歴代のグルらの宗教詩を収めた『グラント・サーヒブ』を編纂し,パンジャーブのアムリトサルに拠点(のちの総本山)を置くなど,教団の基盤を確立した。彼がムガル帝国の権力闘争に巻き込まれて自殺した後,教団の武装化が進んだ。第10代グル・ゴーヴィンド・シング(在位1675~1708)は,軍隊化を一層推進し,ムガル帝国軍に抵抗した。19世紀にランジト・シングが,各地のシク領国を統一してシク王国を建設したが,1849年王国はイギリスに滅ぼされた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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