シエナ
Siena 古代エトルリア人(エトルスキ)およびローマ人の集落を中核として,12世紀にコムーネとなったトスカーナ地方の中世都市。当初は司教が世俗の支配層と協力し,行政官らに補佐されて都市を代表した。やがてコンタード(周辺農村域)の領主たちが勢力を伸ばすとともに,ボニ・ホミネス(良き衆)と呼ばれる地区代表が係争を解決するようになる。フィレンツェと覇権を争って衝突を繰り返しながらも,13世紀に入ると農村からの移民が増大し,商業,銀行業とともに各種手工業が栄え,ポポロ(平民身分)が勢力を伸ばした。1287年にはポポロを代表する「九人執政官体制」(~1355年)が成立し,貴族(騎士階級)を政権中枢から排して,平和と繁栄を実現。14世紀後半から衰退が始まり,1557年トスカーナ大公国に併合される。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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