シヴァ
インドの神。『リグ・ヴェーダ』などヴェーダ文献ではルドラの名で知られる。ルドラは暴風神の一面のほか,理由なく家畜などに害をなす恐ろしい神であった。それゆえ,「パシュパティ(家畜の主)」「シヴァ(優和なもの)」「マハーデーヴァ(偉大な神)」などの名でなだめられた。ブラフマー,ヴィシュヌと並びヒンドゥー教の三大神の一人。世界を破壊する神として恐ろしい面を残す。インド各地で崇拝されていたさまざまな女神がパールヴァティー,ウマー,ドゥルガー,カーリーなどの名でシヴァの配偶神となる。身体に灰を塗り,蛇を首に巻き,髪の毛を乱した苦行者の姿で現れるが,インド各地の数多くの寺院では女陰の上に立つ男根の形の像(リンガ)の姿で礼拝されている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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