総督(そうとく)
・〔中国〕明中期に始まり清に継承された地方の要職。初めは必要に応じて臨時に中央より派遣され軍隊の統帥などの任にあたった。のち常駐の官となり,清では地方の最高長官となった。巡撫(じゅんぶ)と併称され「督撫」ともいったが,1省1巡撫に対して1省から複数省にまたがって置かれた。地方の軍政・民政の統轄をはじめ多くの官職を兼ね,大きな権力を持った。・〔植民地〕governor, govenor/general ヨーロッパ列強が植民地(自治領,属領を含む)においた最高の地位の行政官。その任命の方法,持つ権限などは,それぞれの植民地帝国の構造によって異なる。現地における反乱や他の列強の干渉が予想されるところには,陸海軍の軍人が任命されることが多く,また有力な政治家が手腕を買われて就任する例もみられた。19世紀末以降,通信・交通手段の発達に伴い,本国政府の発言が強化されて,総督の権限も制約され,儀礼的な存在に化した。・〔オランダ〕オランダ総督・〔インド〕インド総督・〔ベンガル〕ベンガル総督 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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