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スンナ派(スンナは)

Sunna 正しくは「スンナとジャマーアの民」。イスラームで多数派。スンナとは慣わし,特にシャリーアの第二の法源である,ムハンマドの言行をさす。スンナ派とはスンナに従う正しい信者という意味で,多数派による正統イスラームの自称であった。その源流は,シーア派によれば簒奪者であるウマイヤ朝の正統性と政策を支持する政治的保守中道派である。既成事実の踏襲という意味であれ,スンナの遵守を掲げたこの立場は,合理主義に批判的な思潮を結集させ,9世紀半ば,ムータジラ派に対する勝利を通じてスンナ派としての地歩を固めた。だが,この勝利に貢献したハディース主義者の極端な反合理主義は主流とならず,アシュアリー派神学を基調とする折衷的なイデオロギーが確立された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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