ズデーテン
Sudeten[ドイツ],Sudety[チェコ] チェコの北部,ドイツ,ポーランドと国境を接する帯状地帯をいう。ここには中世からドイツ人が植民したが,19世紀以来チェコ人とドイツ人の民族的紛争がみられた。特にナチス・ドイツが成立すると,ヘンラインの率いるズデーテン・ドイツ人党は,ヒトラーと結んで「民族自決」すなわちドイツとの合併を要求した。ドイツ‐オーストリア合邦(1938年)以後この要求は強まり,38年9月のミュンヒェン会談はチェコ政府にズデーテン地方の割譲を強要,ナチスによるチェコスロヴァキア解体への道を開いた。大戦後再びチェコ領。その際,多数の居住ドイツ人が追放された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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