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陀羅尼(だらに)

サンスクリット語ダーラニーの音写語で,総持(そうじ)とか能持(のうじ)と漢訳される。心に忘れず保持し記憶し,善法を維持する能力という語義から発展し,病を治したり,悪を遮断し,罪を滅し,善を護り,悟りを促す神秘的な力を持つ梵語呪文(ぼんごじゅもん)を意味する。中国でもあえて翻訳せずに原語の音のまま唱えた。短文のものを「真言(マントラ)」と呼んで区別することもある。早くは『法華経』(ほけきょう)陀羅尼品(だらにほん)などにみられ,後代の密教において特に重要視されて多用されるに至る。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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