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台湾(たいわん)

Taiwan[中],Formosa[ポルトガル,英] 台湾本島,周辺島嶼および澎湖(ほうこ)諸島などを含む地域の呼称。台湾本島は中国語文献のなかで古代からさまざまに呼ばれたが一定せず,元代に瑠求(りゅうきゅう),明代には小琉球や東番(とうばん)などと呼ばれた。16世紀にポルトガル人はフォルモサ(Formosa)と命名,欧米で普及した。日本では高砂(たかさご)国,高山(こうざん)国と呼ばれた。台湾という呼称は先住民言語が起源で,清代に定着した。台湾には5万年前から人類が住み始め,16世紀までにオーストロネシア語族の先住民が各地に居住するようなった。17世紀前半,オランダ東インド会社が南部を植民地支配し,その後,鄭氏(ていし)がオランダを駆逐して,反清闘争の根拠地とした。1683年清朝が鄭氏を降伏させて領有,以後移民が急増し米糖(米穀生産とサトウキビを原料とする製糖業)中心の農業開発が本格化した。開発初期,反乱や分類械闘(出身地別に集団を形成した移民たちが,武器を持って闘うこと)が頻発したが,しだいに宗族(そうぞく)組織や宗教組織が形成され,地域社会が成立した。1895年下関条約で日本に割譲。日本は台湾住民の抵抗を武力制圧したうえで,土地調査,鉄道建設などを実施し,植民地経営を行った。1945年,日本の敗戦で中華民国に編入,49年内戦に敗れた国民政府が移転,60年代以降輸出指向的工業化政策を展開。中産階級の成長に伴い民主化要求が高まり,90年代,総統直接選挙などの政治改革が行われた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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