東方植民(とうほうしょくみん)
Ostdeutsche Kolonisation 12~14世紀に行われたエルベ川以東の地への西部ドイツ農民の植民。オストエルベの地はもとゲルマン人の居住地だったが,民族移動後代わってスラヴ人(ヴェンド人)が占拠していた。12世紀皇帝ロタール3世(在位1125~37)は辺境伯領設置など積極的に諸侯を東方へ送り込んだ。彼らは自己の支配権強化と土地開発のため,有利な条件をもって西ドイツの農民に移住を呼びかけ,多くの建設都市を興した。貧しい農民の大規模な集団移住はオストエルベを再びゲルマン化したが,異教徒のキリスト教化と軍事的制圧のうえで,シトー修道会とドイツ騎士団の果たした役割は大きい。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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