ツンフト闘争(ツンフトとうそう)
西欧中世都市の商工業者が組織した相互扶助と相互規制のための仲間団体である同職組合は,ギルド(ドイツではツンフト)と呼ばれている。12世紀以来もっぱら富裕な商人ギルド(都市貴族)のメンバーにより支配されていた市政(都市参事会)への参加権をめぐって,13世紀末から手工業ギルドの親方たちが行った政治的闘争がツンフト闘争である。その結果,14世紀の間には,ドイツやネーデルラントの諸都市で手工業ギルドの親方が市政に一定の位置を占めるようになった。ツンフト闘争の参加者には都市下層民も含まれていたが,その主導者はほとんど常に肉屋などの有力な手工業親方であった。しかし,そうした一連のツンフト闘争は市政の「民主化」を部分的に進めたにすぎず,大部分の都市では,依然として有力商人(都市門閥)層による寡頭体制が継続された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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