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ヴァルガス

1883~1954 ブラジルの大統領(在任1930~45,51~54)。1922年下院議員に選出され,以後蔵相,州知事を歴任。30年の大統領選における不正を訴えて武装蜂起し,軍の支持を得て大統領に就任した。37年には議会を閉鎖し,政党活動を禁止する上からのクーデタを敢行し,「新国家体制」の名のもとに37年憲法を制定して独裁体制をしいた。この新体制は工業化のためのインフラ整備,国営製鉄所建設に力を入れ,労働者保護立法,内陸部開発をめざした。新体制は45年のクーデタで崩壊したが,51年大統領に返り咲いた。石油公社の創設など民族主義政策は維持されたが,軍部の支持を失って苦境に陥り,自殺した。ヴァルガス体制は青年将校を中核に,労働者,中間階級を政治動員するポピュリズム政治の典型であった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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