淮軍(わいぐん)
淮勇(わいゆう)ともいう。清末,太平天国討伐のため李鴻章(りこうしょう)が1862年,湘軍(しょうぐん)の編制にならって郷里の淮南地方で組織した郷勇(きょうゆう)部隊。上海に進出して江蘇の太平天国を討伐したのち,捻匪(ねんぴ)(捻軍)の平定(66~68年),陝西(せんせい)回教徒(ムスリム)の反乱平定(68~70年)に従軍した。李鴻章の直隷総督就任(76年)によって直隷に移駐した。淮軍は近代的な装備をもつ清国最強最大の軍隊であったが,その構成が同郷的・同族的結合関係を根幹としていたため,私的な統属関係が強く,李鴻章の半ば私兵的な軍隊として彼の勢力を支える基盤となっていた。日清戦争で主力は壊滅し,義和団事件で残存部隊も壊滅した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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