人間の救いは,まったく神の一方的な,予定された意志に依存するとなすキリスト教の教義。すでに後期スコラ派のウィリアム(オッカムの)の神学に現れているが,ルターの不自由意志説をへて,カルヴァンのもとでとりわけ鋭い形をとった。それは神の至上権を力説する彼の教義の論理的帰結ではあるが,その場合人間の倫理的責任は決して和らげられることなく,神意への絶対服従にこそ真の自由があると説かれた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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